「北海道らしい食文化」の創造を目指して

北海道でのブドウ栽培は春の雪解けから5月中旬頃からの萌芽まで、広い畑での「枝上げ」作業に追われます。
これは冬のあいだは雪で断線しないように束ねていた垣根の針金を張りなおし、雪の下に寝かせることで凍害から守りながら越冬させたブドウの樹を起こして針金に固定していく作業です。
もちろん手作業であり、畑によっての違いはありますが、ほぼ3歩ごとに1本の樹があるなかで樹の幹を地面から持ち上げて数か所にわたって紙縒りなどで固定していくのは、畑のスケールが大きい北海道では延々と気が遠くなるような地道な作業です。雪が多い年は必然的に作業スタートが遅れますが、ブドウの萌芽の時期がその分遅くなることはありません。したがって、雪が多い年は春先の雪解けの進み具合がとても気になるところです。

私たちは先週末と今週末にかけて、日帰りで出かけられる範囲のワイナリー・ヴィンヤードを訪問して、NPO設立の挨拶をしてきました。
ワイナリーが春の作業を目前にするタイミングでの訪問は誠に恐縮ではありましたが、そのときに畑や雪の状況をみることでも、地域や畑の向き、標高等によって、さまざまな育成環境の違いや品種の選定の違いがあることを改めて感じました。
全般的なこととして、今年は雪が多かったものの、昨年よりは雪解けが早く進んでいるようです。ブドウ畑では曜日を問わず、また天候や風の強弱、寒暖が不安定ななか枝上げを一生懸命に行っておりました。各生産者とも、北海道の厳しい冬を乗り越えて、新しいヴィンテージへの想いや期待、そして自らの育てるブドウに対する誇りと責任を胸に秘めての作業だと思います。

4月中旬になっても雪の舞う北海道ですが、2013年のヴィンテージが夏の好天に恵まれて、各ワイナリー・ヴィンヤードが素晴らしいワインをたくさんつくりだせることを心から願っております!
(写真は4月14日 余市町のブドウ畑です。右側の写真は枝上げ前のブドウの樹、左側の写真は小さくて見づらいかも知れませんが枝上げが終わった区画です。残雪、手前の用水路の水量も雪解け時期ならではの光景ですね)

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