「北海道らしい食文化」の創造を目指して

ブドウには、①本格的なワインを生み出すケルナーやミュラートゥルガウなどの「ヨーロッパ系品種」、
②果物として食べてジューシーな味わいのキャンベルアーリやナイヤガラなどの「アメリカ系品種」、
③寒さに強く、強い酸味と色合いが特徴となる「ヤマブドウ系品種」と3つの系統があり、北海道ではその3系統すべてを見ることができます。

これらのブドウは花が咲いて受粉し、果実を肥大させて9月下旬頃から収穫がされますが、
北海道でもっとも開花時期が早くて収穫時期が遅いのが「ヤマブドウ系品種」です。

北海道の戦後のワインづくりが池田町で始まったのがちょうど50年前の1963年ですが、
そこで最初に使われたブドウがヤマブドウでした。
このように北国の寒さのなかでも育ち、独特の風味と力強さをもったヤマブドウは、
北海道のワインの歴史のなかでも重要な意味をもっています。

今回はブドウ畑を離れ、山で自生する「ヤマブドウのいま」をご紹介いたします。

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他の木に絡みつくようにヤマブドウが生い茂っています。
高さ5m以上にもなり、容易に人が手を伸ばせない場所に実をつけるところや樹勢の強さ、葉の大きさもヤマブドウのワイルドな特徴ですね。

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6月16日の時点で既に開花を終えていました。

北海道ではヨーロッパ系ブドウ品種は6月下旬から7月上旬ころに開花するのですが、ヤマブドウ系はそれよりも早い開花と遅い収穫期となります。

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この花芽が丸く結実して肥大していきます。いまは上を向いていますが、だんだんと重くなっていき、ブドウらしくなっていきます。
花芽がどのくらいついているか目を凝らしてみると、今年は随分たくさんついているように見受けられました。
質・量ともに優れたヴィンテージになってほしいと願いを込めて、山をあとにしてきました。

 
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